子育ては思い通りにならないことの連続です。
宿題をやらない、片づけをしない、反抗的な態度…。ついイライラしてしまいますよね。
ただ、この「イライラ」をそのまま子どもにぶつけてしまうと、親子の関係に溝ができたり、子どもが萎縮してしまうかもしれません。
前編では、子育て中の「イライラをコントロールすることの大切さ」と「その方法」を、次回後編では「感情のコントロールができると家庭に起こる変化」と「完璧でなくていい」をご紹介します。
子育てにおける感情のコントロールの大切さ
親が感情をうまく扱えると、子どもにとって安心できる家庭の雰囲気が生まれます。
なにより親自身の負担もグッと減ることになります。
イライラが親子関係に与える影響
0歳〜低学年くらい(思春期前)
幼い頃から親のイライラを感じていると「安心感」という感情が得づらく、気持ちが不安定になる可能性があります。親の感情を敏感に感じ取りやすく、子どもとは関係のないイライラにも「自分のせいかも」と思い込むことも。
長期的にイライラを感じ続けると「自分はダメなんだ」と思いやすくなったり、親の顔色を過剰にうかがうようになることがあります。
思春期以降
子どもが思春期に入ると「自分を一人の人間として扱ってほしい」という気持ちが強くなります。そんな時期に親がイライラした態度や言葉を繰り返すと、子どもは「自分は受け入れてもらえない」と感じやすくなります。
その結果
・親に相談しなくなる
・家で安心できなくなる
・自分の感情を抑え込みやすくなる
といった影響が出てしまうこともあります。
これはあくまでも「長期的に」ですので、時々ドカンと感情をむき出したとしても、その後に謝ったり話し合うことができれば大丈夫!
私は数えきれないほどイライラの感情を子ども達にぶつけてしまいました。
親の感情は子どもに伝わる
親は感情を隠しているつもりでも、子どもにはしっかり伝わってしまいます。なぜなら、表情や声のトーン、ちょっとした仕草などの非言語的なサインに感情が表れるからです。
子どもは親とのつながりが強いため、「親の機嫌が良い=自分の安心」と感じやすく、とても敏感に変化を受け取ります。さらに脳のミラーニューロンの働きで、自然に親の感情に共鳴してしまうこともあります。
そのため、無理に隠すよりも「今日は少し疲れているよ」などと、やわらかく言葉にして伝える方が、子どもに安心を与えられることもあるのです。
他人の行動を見た時に、まるで自分が同じ行動をしているかのように脳内で反応する神経細胞
子育てで感情をコントロールする第一歩は『気づくこと』
感情のコントロールは「気づく」ことから始まります。
また、「子どもはこうあるべき」という思考が強いと感情が揺さぶられやすくなります。完璧を求めるよりも「この子にはこの子のペースがある」と受けとめると気持ちがラクになります。
自分の感情に気づく「感情ラベリング」
「感情ラベリング」とは、日常生活で簡単に実践できるメンタルヘルスケアです。
「私は今イライラしているな」「不安を感じているな」と自分の感情をラベリング(名前をつける)するだけでも、冷静さを取り戻しやすくなります。
感情をラベリングすると落ち着く理由
1. 脳の仕組み
感情が強く揺れ動いているときは、扁桃体(へんとうたい)という「脳の警報装置」が活発になります。
そのような時には「イライラしてる」「とても不安だ」と言葉にすると、前頭前野(理性を司る部分)が働き出し、扁桃体の過剰な興奮を和らげます。
つまり「言葉にする=理性で感情を整理する」ことになり、落ち着きやすくなるのです。
2. 体の反応
感情が爆発しそうなときは、自律神経が乱れて心拍数や呼吸が速くなります。ラベリングで冷静さを取り戻すと、副交感神経が働きやすくなり、呼吸や鼓動が落ち着いていきます。
3. 自分との距離がとれる
「私は今、怒っている」と言葉で外に出すことで、感情と自分を切り離して見られるようになります。その結果「怒りに飲み込まれる」のではなく「怒りを持っている自分」を客観的に見ることができ、心を整えられます。
「べき思考」を手放してラクになる
子育てでは「ちゃんとご飯を食べさせないと!」「勉強させないと!」と「〜をさせるべき」という思いが強くなりがちですが、この「べき思考」は親子を苦しくさせることがあります。
親は「できなかった自分」を責めやすくなります。そして子どもは親の強い思いに萎縮してしまい、親に従うような行動をとってしまうかもしれません。
結果として親子の会話が命令や反発、従順になり、関係がギクシャクしてしまうことも考えられます。
べき思考は「子どものため」と思いながら、実は 親自身の不安や価値観 に根ざしていることが多いのです。
子育ては予想外の連続だからこそ、「べき」を少しゆるめて柔軟に向き合うことが、親子にとって安心感につながります。
イライラを減らす!感情をコントロールするシンプルな方法
日常で実践しやすい方法を紹介します。
深呼吸・時間を置く
感情が強く揺れ動くとき、脳の「扁桃体」が活発に働いています。ここは不安や怒りを感じる部分で、暴走すると冷静さを失いやすくなります。
深呼吸は副交感神経を整え、興奮した脳を落ち着かせてくれる働きがあります。
また、時間を置くことも効果的です。感情のピークは数秒程度で自然に落ち着くため、少し距離をとるだけで冷静さを取り戻しやすくなります。
子どもの姿が目に入ると余計に抑えられないこともありますよね。そんな時は、視界から外れる場所に一旦移動してみるのもおすすめです。
私自身、よくワナワナしながらトイレに駆け込んでいました。
深呼吸や時間を置くことは「気休め」ではなく、脳や自律神経の働きを利用した科学的に有効な方法なのです。
書き出す・話す
感情をラベリングすることで一時的に落ち着くことはできますが、感情そのものが消えるわけではありません。イライラや不安は、心にため込むほど強くなってしまいます。そこで効果的なのが「書き出す・話す」ことです。
書き出すことで「自分は今こんな気持ちなんだ」と客観的に見られるようになり、話すことで「分かってもらえた」と安心できます。
具体的には以下のような方法があります。
・信頼している人に話す
・正直に日記や手帳に書く
・子育てママと思いを分かち合う
・ブログ投稿
実はブログの投稿は私が実践していた方法です。
少し時間をかけながら事実を文章にしていく作業は、客観的に自分の行動を見直すことができたり、心が整理されていきました。
前編・おわりに
私は子育ての時期、気持ちに余裕がなくて感情的な姿をたくさん見せてきました。
子育ては本当に感情が揺さぶられるものですよね。それは大切に思っているからこそだと思います。
この記事を「子どものために」と読んでいただいてももちろん嬉しいですが、まずはお母さん自身の心の安定のために活用していただけたら、もっと嬉しいです。
後編では「感情のコントロールができると家庭に起こる変化」と「完璧でなくていい」をご紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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